「久しぶりに天下一品のこってりが食べたい!」と足を運んでみたら、まさかの閉店——。
そんな経験をした人が、ここ数年でじわじわと増えてきています。
天下一品といえば、あの濃厚で唯一無二の「こってりスープ」で長年ファンを虜にしてきたラーメンチェーンです。それにもかかわらず、各地で相次ぐ閉店。SNSでも「閉店しすぎてショック…」「なんでこんなに減ってるの?」という声が絶えません。
この記事では、「天下一品の閉店ラッシュは本当に起きているのか?」「なぜ次々と店を閉じているのか?」といった疑問を、最新のデータと共に丁寧に解説します。
読み終える頃には、閉店の理由だけでなく、天下一品の未来に希望が持てるようになるはずです。
【目次】
- 閉店ラッシュは本当に起きているのか?
- 価格帯の上昇と消費者の反応
- 原材料費・人件費の高騰が直撃
- フランチャイズの構造的な課題
- 味のバラつきとリピーター離れのリスク
- 天下一品の今後と、ファンにできること
閉店ラッシュは本当に起きているのか?
2024年6月末、東京都内を中心に6店舗が一斉閉店するという事態が発生しました。
- 池袋東口店
- 歌舞伎町店
- 恵比寿店
- 五反田店
- 八幡山店
- 多摩ニュータウン店
更に2025年6月末には、以下店舗も閉店予定です。
- 新宿西口店
- 池袋西口店
- 渋谷店
- 目黒店
- 田町店
- 蒲田店
- 吉祥寺店
- 川崎店
- 大船店
- 大宮東口店
これらはすべて、「アトラスアンドカンパニー」という同一企業が運営していたフランチャイズ店舗です。この企業が経営判断として一括で撤退を決めたことで、一気に“閉店ラッシュ”の印象が広がりました。
実際にSNSやGoogleマップの口コミ欄には、「久しぶりに来たら閉店していた」「なぜか都内の天一が次々と無くなっている」といった投稿が多数見られ、話題になっています。
価格帯の上昇と消費者の反応
近年、天下一品の定番メニュー「こってりラーメン(並)」の価格は900円台後半にまで上昇しています。一方で、他チェーンの中華そばやラーメンは、日高屋が420円、幸楽苑が490円という価格帯。
これは消費者にとって大きな差であり、「天下一品は高い」というイメージが強まりました。
実際の声:
- 「ラーメン一杯で1000円近いのはちょっと…」
- 「味は好きだけど、頻繁には通えない」
価格と満足度のバランスが崩れつつあることが、リピーター減少の一因と考えられます。
原材料費・人件費の高騰が直撃
天下一品の「こってりスープ」は、鶏ガラと野菜を長時間煮込んで作る特殊な製法で知られています。そのぶん、原材料費と光熱費の負担が非常に大きいのです。
さらに、飲食業界では慢性的な人手不足と人件費の上昇が続いており、採算ラインを維持することが難しくなっています。
フランチャイズオーナーにとっては、「売上が悪くなくても、利益が残らない」という状態になり、結果として撤退に至るケースもあるのです。
フランチャイズの構造的な課題
天下一品は、本部直営ではなくフランチャイズ展開が主体のチェーンです。そのため、各店舗の経営はそれぞれのオーナーに委ねられています。
この構造は以下のような課題を生みやすくします。
- 店舗ごとの経営判断に差が出やすい
- 改装や人材確保の負担がオーナーに集中する
- 本部による一元的な改善策が打ちづらい
実際に、冒頭で紹介した6店舗の閉店も、本部ではなくフランチャイズ側の判断によるものであり、天下一品全体が経営不振というわけではありません。
味のバラつきとリピーター離れのリスク
天下一品は「スープの濃度が店ごとに違う」といった声が以前からありました。これは、スープの素を各店で希釈するスタイルを採っていることによるものです。
この方式だと、希釈の度合い・提供温度・管理方法などによって、味にばらつきが出る可能性があります。
- 「前に行った店舗は濃厚だったのに、今回は薄い」
- 「味にムラがあるから、次は他の店に行こう」
こうした体験は、顧客満足度の低下を引き起こし、リピーター離れのリスクを高めてしまいます。
天下一品の今後と、ファンにできること
閉店が相次ぐ一方で、天下一品は新たな取り組みも始めています。
- 冷凍スープのEC販売拡大
- あっさり系や新メニューの開発
- コラボキャンペーンや限定商品導入
こうした変化は、「こってり一辺倒」というイメージを脱却し、より多くの顧客層に訴求するための挑戦でもあります。
まとめ
天下一品の閉店ラッシュは、一部フランチャイズ企業の撤退により目立っていますが、ブランド全体の衰退ではありません。
主な要因は以下の通りです。
- ラーメン単価の上昇による価格感の変化
- 原材料費・人件費の高騰による利益圧迫
- フランチャイズ経営の難しさ
- 味のばらつきによる顧客離れ
それでも、天下一品は変革に向けた歩みを止めていません。
“こってり”という唯一無二の価値を武器に、次なる時代への適応を進めています。
あの味がいつまでも味わえるよう、今こそファンが支えるとき。
「天一ロス」を生まないためにも、一杯のラーメンがつなぐ未来を見守っていきましょう。
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